建設業許可の新設分割認可申請
(建設業許可/東京都)
年明け早々、建設業許可(東京都知事許可)の新設分割認可申請を行い、無事に受付となりました。当事務所でも新設分割に関しては、初申請だったので、私たちの備忘録的な意味も含めてご紹介させていただきます。
なお、建設業許可に関する分割、合併等の事業承継の概略については、次の記事も参照いただけますと幸いです。
「建設業許可の分割認可申請と取下げ+再申請(2024.11.25コラム)」
1 相談の概要
今回ご相談をいただいたのは、都内で機械器具設置工事業を営む企業さんです。当事務所にご依頼をいただく前は、自社内で更新等の手続き対応をされていたそうです。
今般、事業承継を念頭においたホールディングス化の一環として会社の新設分割を行い、建設工事部門及び建設業許可を新設会社に承継させたいということでした。
当初は令和7年2月中の新設分割を想定し、昨年12月27日(開庁最終日)に東京都の建設業課へ事前相談に行ったところ、すでに認可申請期限を過ぎてしまっていたことが初めて分かったそうです。そこで、年明けすぐに自社の顧問弁護士さんに相談したところ、当該弁護士さんと旧交のある当事務所を紹介してもらったとのことでした。
2 手続での注意点
今回認可申請での注意点は大きく2点であったと考えています。
①分割効力発生日と分割認可申請期限について
東京都の認可申請時期は、次のように指定されています。
事業承継の申請受付期間
承継予定日の閉庁日を含まない前日の2か月前から25日前まで
※ただし、承継予定日は承継者および被承継者のそれぞれの許可の有効期間が満了する日の30日前よりに前の日であること
相談者さん側で分割効力発生日を3月3日に変更されていた関係で、認可申請期限は1月22日となりました。1日でも早く申請をして欲しいという相談者さんの意向もあり、1月7日に東京都建設業課での事前相談、1月15日に分割認可申請というスピード対応となりました。
事前認可申請の受付期間と手続きの流れ
②吸収分割ではなく新規分割
事業承継の手法としてよくあるのは、受け皿会社を新設しておいて、後から当該新設会社に吸収分割を行うというスキームです。(このパターンは、建設業許可や一般貨物自動車運送事業許可で経験済み。)
そのため、法律的には吸収分割であっても、依頼される際には、新設会社を指して「新設分割でお願いします」とお願いされることもあるので、関係者の意識合わせのためにはきちんとした用語の確認も必要となってきます。
今回の手続では、受け皿会社を設立している時間的余裕もなかったことから、新設分割しか選択手段はなかったともいえます。
なお、新設分割の認可申請では、分割計画書の作成とその記載内容がポイントとなります。①でも少し触れましたが、効力発生日が重要で、新設分割日を基準とした5年間の許可期間が指定され、認可書が発行されることになります。
そして、新設分割では、法務局に登記申請書を提出した日が新規法人設立日(効力要件)となり、認可後に登記申請が1日でも遅れたなどを理由に分割期日が変更となる場合は、認可申請を取下げする必要があるためです。
今回の申請に際しては、新設分割計画書に「分割期日を2月○日より○日以内とする」との記載があったのですが、「3月3日を分割期日とする」と記載した文書を追完することで受付となりました。
3 まとめ
今回の申請では、取締役の身分証明書などは自社で取得いただくなどのご協力があったことで、相談から中3営業日での申請受付となりました。当事務所としても、良い仕事ができたと充実感を得る結果となりました。
事業承継における許可の移転に関しては、スケジュール感がとても重要となります。計画の大幅な見直しを回避するためにも、ぜひお早めにご相談ください。 当事務所では、建設業許可の事業承継に関してもご相談に応じておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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