宅建業の更新申請|令和7年4月からの新様式に注意
(宅建業/東京都 令和7年4月改正)
先日、建設業でもお取引のある東京都内の企業様より、宅建業の更新申請をご依頼いただきました。長くお付き合いのある会社様で、同時期に宅建業・建築士事務所建設業・建設業の更新が控えていました。まずは、許可期限が最も近い宅建業の更新申請から準備を進めることにしました。
今回は、宅建業の更新にあたり、宅地建物取引業法施行規則の改正により変更された申請様式や、留意すべき点についてご紹介いたします。
【宅建業の申請書類の変更点とは】
東京都では、令和7年4月1日から宅建業の申請書類が新様式に変更されました。旧様式では申請が受理されませんので、以下の変更点を確認のうえ、申請を行う必要があります。
宅建業申請書類の変更点(東京都)
【略歴書の変更点】
代表取締役、取締役、監査役、代表執行役、執行役、政令使用人、会計参与の方の住所・電話番号・生年月日の記載不要になりました。
※ただし専任の取引士、相談役、顧問の方は引き続き従来通りの記載が必要です。
【代表者等の連絡先に関する調書が新設】
略歴書で削除された情報は、別書類で記載が必要になり「代表者等の連絡先に関する調書」が追加になりました。代表取締役、取締役、監査役、代表執行役、執行役、政令使用人、会計参与の方に関しての記載が必要です。
【宅地建物取引業者票(標識)の変更3点】
表示項目に「この事務所の代表者氏名」が追加となり、専任の宅地建物取引士の「氏名」ではなく「人数」に変わりました。従事者数の表示も必要になりました。
①「代表者氏名」の表示が追加
② 専任宅建士は「氏名」→「人数」へ変更
③「従事者数」も記載が必要に
【取引士の登録変更・宅建士証の更新も忘れずに!】
新年度は異動や退職が多く発生するため、勤務先の登録変更や宅建士証の更新手続きが後回しになりがちです。更新申請の際には、専任の宅地建物取引士について、資格登録情報に関する必要な変更手続きが漏れなく行われているかどうかが重要な確認事項となります。これらの手続きが適切に行われていない場合、宅建業の免許に影響を及ぼす可能性がありますので、くれぐれもご注意ください。
取引士は、氏名・住所・本籍・勤務先等に変更があった場合、取引士証を交付された都道府県において登録変更申請を行う必要があります。これらの情報は自動的には更新されませんので、取引士ご本人が申請するか、委任状を用いて行政書士等の代理人による申請を行うことが可能です。
取引士の変更登録申請が必要な事項
・氏名(婚姻等による改姓を含む)
・住所
・本籍
・勤務先(入社、退職、出向、商号変更等)
「勤務先変更」に必要な書類
・宅地建物取引士資格登録簿変更登録申請書『様式第七号』
・入社証明書(入社日が記載されており、代表者印のあるもの)
・退職証明書(退職日が記載されており、代表者印のあるもの)
・宅地建物取引士証の写し
・取引士本人からの委任状(代理申請時)
「宅地建物取引士証」の更新(以下宅建士証)も宅建業を営む上で重要です。この有効期限は交付から5年で、有効期間の満了をもって失効となります。この宅建士証の更新をせずに業務に従事していた場合、法律違反となります。専任の取引士の場合、1つの事務所において5名に1名以上の割合で設置すると定められておりますので、更新を失念した状態だと宅建業の許可が継続できなくなる可能性があります。また専任の取引士が不足した場合は、2週間以内に補充等必要な処置を取らなければなりません。
なお、宅建士証の更新はご本人による申請で、法定講習の受講が必要です。更新時期が近づくと登録している宅建協会等からの講習の案内が届きますので、見逃さず早めの対応をおすすめします。
・宅地建物取引士証の更新に必要な書類等(東京都)
・宅地建物取引士証交付申請書(更新用)
・法定講習修了証明書(写し)
・顔写真(カラー・縦3cm×横2.4cm)×2枚
・現在の宅地建物取引士証(原本)_有効期限内に返納
・本人確認書類の写し
・その他 返信封筒/手数料4,500円(収入印紙)
今回は更新申請の書類準備中にこの改正があったため、4月1日以降に標識(宅地建物取引業者票)の写真を撮り直し、新様式での申請を行いました。更新および取引士の勤務先変更も無事に受付となり、お客様へ副本をお渡しすることができました。
【当事務所は複数の許認可を一括管理しています】
今回のお客様に関しては、宅建業の他にも、建設業や建築士事務所の年次報告や更新手続も当事務所で対応しています。
宅建業と建設業の許認可手続では、共通する提出書類が多くあります。更新時期が近接している場合は、まとめてご依頼をいただくことで、効率的かつスムーズに準備を進めることができます。当事務所では忙しいお客様に代わり、共通する公的証明書の取得も代行しています。
複数の許認可手を一括管理できる点が、当事務所をご利用いただく大きなメリットです。宅建業や建設業、産廃の収集運搬業など、許認可申請に関するご依頼やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。