建設業の更新と事業年度終了届

(千葉県・建設業)

 先日、千葉県で建設業を営むお客様の更新許可申請をしてきました。今回は、申請の受付期間が過ぎてから当事務所に依頼があり、急ぎの対応が必要な案件だったので少しご紹介させていただきます。

建設業法第3条3には、許可の有効期間について、次のようにあります。

建設業法 第三条3

第一項の許可は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う

 さらに、千葉県の手引には、許可の有効期間について次のように記載されています。

許可の有効期間 ―法第3条―

許可の有効期間は、許可のあった日から 5 年目の対応する日の前日までです。当該期間の末日が日曜日等の休日であっても、その日で満了することになります。 なお、引き続き建設業を営もうとする場合には、5 年間の有効期間が満了する日の 90 日前か ら 30 日前までに、許可更新の申請を行ってください。やむを得ない事情等により、有効期間が 満了する 30 日前を遅れた申請については、理由を付記した始末書(任意様式)を、千葉県知事 宛に申請者が作成し、正本・副本・控えのそれぞれに添付したうえで提出してください。手続きをしない場合は、許可の効力を失います

 つまり、受付期間を過ぎていても、許可有効期間満了日前でしたら、始末書を添付して、申請が可能となります。(ただし、やむを得ない場合であり、受付期間内に申請するのが良いことは言うまでもありません!)

仮に、有効期間が満了する日を一日でも過ぎてしまった場合は、更新の許可申請をすることはできません。許可が必要な場合は、あらためて新規で許可を申請する必要があります。新たに許可を取り直すことになるため、許可番号も変わってしまいます。

5期分の事業年度終了届も同時に

 更新申請が受理されるためには、事業年度終了届を含む変更届を全て提出していることが前提となります。実は、お客様は、前回の更新から5期分の事業年度終了届が未提出でした。

そのため、5期分の事業年度終了届も併せて作成し、更新申請と同日に提出いたしました。(こちらも言うまでもなく、毎年行うことが法定されています。法定の期限内に届出がない場合は、罰則の適用や監督処分の対象となりますので、十分な注意が必要です!)

 なお、千葉県では、事業年度終了届に添付が必要な事業税の納税証明書が過去3年分しか発行されません。念のため、管轄の土木事務所に問い合わせしたところ、提出できない年度については、理由を付記した始末書(任意様式)を提出してくださいとのことでした。

 お客さまにご協力いただきながら申請書類を整え、有効期間満了日の4日前に無事に受付されました。窓口の担当官からは「許可が切れてしまうと、申請手数料も5万円(更新)から9万円(新規)になってしまいますよ~。」と優しい指導を受けながら、受付印を押印してもらうことができました。

 また、受付後の後日談もご紹介したいと思います。ご依頼くださったお客さまから、「取引先から建設業許可を持っていることの証明を求められたけど、どう対応したらよいかわからない。」とのご相談がありました。

 通常の場合、「建設業許可通知書」がそれを証明するものとなりますが、お客さまのお手元にある通知書は、許可の有効期間が過ぎているため、客観的に許可が有効であると証明できる資料はどうしたらよいのでしょうか。 許可通知書に代わって客観的に証明できる方法としては、次の2つが考えられます。

 

①国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」

WEBで許可情報を検索できるシステムです。行政庁の審査、許可があった後に登録されるため、一定期間のタイムラグがあります。今回も更新情報はまだ反映されていない状況でした。

②各自治体の「建設業許可証明書(確認書)」制度

発行手数料を支払って申請し、許可通知書に代わる証明を発行してもらうものです。念のため千葉県に問い合わせしてみましたが、まだ更新の審査が完了していないため、許可の有効期間が切れた状態の証明しか出せないとのことでした。

副本が唯一の証明

 お客さまには、受付印のある更新許可申請書(副本)が、許可を有効に保持している証明になる唯一のものです、と説明させていただきました。当事務所の経験則では、上記の説明で取引先に納得してもらえることがほとんどです。

 更新申請の申請期限を過ぎてしまうと、許可の満了日前に審査が終わらないことがありますし、審査中でも従前の許可(更新前の許可)が引き続き有効とはされていますが、取引先との対応等を含めて考えると、提出期限を遵守することが大切であるといえます。

 当事務所では、建設業許可の更新申請に関しまして、急ぎの案件にも対応いたします。お困りごとがございましたら、ぜひお気軽にお問合せください。

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