〔東京都〕建設業の経営事項審査の改正

こちらのブログにてお伝えしました経審を初めて受けられたお客様のお話です。建設業許可通知書の代わりとなる許可証明書(確認書)も発行し、最初に受けた建設業許可通知書の紛失のための事前確認も終わり、先日、無事に経審受付となりました。

経審予約日当日、万全な体制で挑みましたが、一つ補正がございました。

それは、その他の審査項目(社会性等)のうち、

『項番54の建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況』に関する箇所です。

こちらは、CCUSの取組みに関するもので、今年の8月14日以降を審査基準日とする申請で適用される新しい箇所となります。

CCUSの活用状況が加点対象として新設


 令和5年8月14日以降を審査基準日とする申請で適用

建設工事の担い手の育成・確保に向け、技能労働者等の適正な評価をするためには、就業履歴の蓄積のために必要な環境を整備することが必要であり、CCUSの活用状況を加点対象とする。

 審査対象工事 以下の①~③を除く審査基準日以前1年以内に発注者から直接請け負った建設工事
①日本国内以外の工事
②建設業法施行令で定める軽微な工事工事一件の請負代金の額が500万円(建築一式工事の場合は1,500万円に満たない工事建築一式工事のうち面積が150㎡に満たない木造住宅を建設する工事
③災害応急工事防災協定に基づく契約又は発注者の指示により実施された工事
該当措置 以下の①~③のすべてを実施している場合に加点
①CCUS上での現場・契約情報の登録
②建設工事に従事する者が直接入力によらない方法※でCCUS上に就業履歴を蓄積できる体制の整備※直接入力によらない方法
就業履歴データ登録標準API連携認定システム(https://www.auth.ccus.jp/p/certified )により、入退場履歴を記録できる措置を実施していること等
③経営事項審査申請時に様式第6号に掲げる誓約書の提出

実は、この項番54は、以前他社さま(審査基準日が今年の8月前)の経審時に、空欄で提出しましたところ、「3.非該当」を記入するよう指示を受けた場所です。

教訓を生かして、今回は「3.非該当」を記入して提出しましたところ、なんと! 

「審査基準日が今年の8月以前のため、空欄で提出してください」とのことでした。

いずれにしても加点にはつながらないので、根本的には関係ないのかもしれませんが、作成した書類に訂正印がつくのは、やはり気持ちの良いものではありません。始まったばかりで、都庁でも運用が定まらないのでしょうか。。

それはさておき、CCUSの取組みの重要性は先日のブログでもお伝えしたところですが、実際に加点される点数はどれぐらいなのか、見てみましょう。

加点要件評点評点
審査対象工事のうち、民間工事を含む全ての建設工事で該当措置を実施した場合15
審査対象工事のうち、全ての公共工事で該当措置を実施した場合10
※ただし、審査基準日以前1年のうちに、審査対象工事を1件も発注者から直接請け負っていない場合には、加点しない

とても影響力がある項目なのではないでしょうか。

それだけではありません。今年は大きな改正がありました経審ですが、現状維持は、「後退」につながるというお話を伺いました。

まさに、今回お伝えしました、その他の審査項目(社会性等)になります。新しい項目が2つ(ワークライフバランスの取組み・CCUSの取組み)も追加されたことにより、W点のウエイトが大きく増加することから、各項目間のバランスを維持するため、総合評定値P点への換算式を変更しております。

総合評定値算出係数の改正内容


令和5年8月14日以降を審査基準日とする申請で適用
※仮に、審査対象期間外に加点要件を満たしている場合であっても、加点評価は実施しない

当該項目追加に合わせて、P点に占めるW点のウェイトが大きく増加するため、各項目間のバランスを維持するべく、総合評定値算出に係る係数を以下のように変更することとする。

よって、新設される項目による加点がなく、現状維持されているお客さまにおかれましては、P点が下がる可能性があります。これを機に、ワークライフバランス、CCUSの取組みを本格的に検討してみてはいかがでしょうか。

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